Business & Key Person‘s Voice

物流現場では何が起きているか?マーケットの伸びとともに取り扱い高が自然に増える。もうそんな時代ではなくなった。国内・海外の競合他社を一歩リードするために、営業の現場では今どのような取り組みをしているのか。

今までに積み上げてきた実績・ノウハウを集約し全社で展開する「営業バックアップ」が突破口になる

PROFILE
経営企画部 アジア・オセアニア課(取材当時)
2003年入社

入社後は代々木輸出支店・カスタマーサービス課に配属。1年間の勤務を経て、埼京多摩輸出支店・太田営業所に7年勤務。その後、インドネシアでの5年半におよぶ駐在経験を経て、2016年11月より現職。

Key Persons Voice (1)

「当社がお客様に
提供できる価値は何なのか?」

近年、国際物流の世界では、荷動きの伸び率が高いレベルで推移している国・地域は限られています。物流企業としても、かつてのような “自然増”は期待できません。特に2008年のリーマンショック以降、ビジネス環境もシビアになりました。モノを運べる、営業担当が信頼できる、というのは当たり前。「当社がお客様に提供できる価値は何なのか?」を考え続けてきたのです。
しかし率直に言って、それまでの物流業界はお互いに差別化しにくい状況でした。世界中に拠点を拡大した会社であればあるほど、強い逆風が吹いていました。私たちも例外ではありません。だからこそ、明確な競争優位性を持つことが重要な課題となっていました。

全社を挙げての営業バックアップ
による競争優位性

そこで私たちは、2000年代半ばから、競争優位性を確立するために様々なことに取り組んできました。その中で最も大きな効果を上げているのが、総合開発営業部をはじめ、カスタマーサービス(CS)、通関、倉庫など各分野のエキスパートが行う「営業バックアップ」です。
世界5極の様々な取り扱い事例を本社に集約。営業は「エリア・品目・対応内容」といった条件からデータを検索し、お客様にスピーディーに当社の実績を紹介します。また、各海外極のスタッフから、港湾事情、道路インフラなど現地ならではの情報を提供する体制も整備。どの営業担当でもクオリティの高い提案ができるようになりました。お客様が郵船ロジスティクスを選んでくださる意思決定も早まっています。

Key Persons Voice (2)

競合他社との差別化ポイント

一方でお客様は、物流会社に対し、日系企業ならではの柔軟な対応を求めることが多いです。そんな日系企業のニーズを取り込むために、欧米各社も日本人を営業担当としてフロントに立たせるケースが増えてきました。ただ、通関や決済など営業以外の部門は契約ありきの欧米流ですから、簡単には参入できないようです。
では日系の物流業界はというと、目に見えるような差別化が難しい。その中で私たちは、前述のような営業バックアップ体制を整えることで、全社を挙げてお客様に向き合い、その後もしっかりフォローできるようになっています。現時点では業界に先駆けた取り組みだと思います。

Key Persons Voice (3)

南アジア・オセアニアでの
圧倒的な地位の確立を目指す

はじめに「荷動きの伸び率が高いレベルで推移している国・地域は限られている」と言いました。その中でも南アジア・オセアニアはまだまだ投資が活発で、物流の伸びも見込まれています。私たちはこのエリアに先行投資を続けてきました。各国が独立し、言語も制度も異なるこのエリアでは、非関税障壁が崩れていないという理由で物流会社は新規参入しにくいと考えています。一方で、当社は現地で先行して倉庫・通関のライセンスを取得していたため、新たなビジネスチャンスを逃していません。
さらに、営業力を今まで以上に活かせるように、前述した営業バックアップ体制を様々な形で強化し、また投資を継続することで、現在、郵船ロジスティクスという会社は南アジア各国での優位性を盤石にし、圧倒的な地位の確立を目指しています。

Key Persons Voice (4)