営業店からの依頼の裏には、必ずお客様の思いがある。その思いが、自分を突き動かす。 / Staff Interview TETSUKI OUNO

第一航空業務センター 東日本航空業務2課

飛行機の限られたスペースに様々な貨物を混載し、お客様の輸送コストを削減するというミッション。

私は入社以来、日本発アジア向け航空輸送の予約・混載業務を行う部署に所属しています。国際物流や航空会社の状況・動向を探りながら、各航空会社が持つ貨物室のスペースを予約。現地到着を急ぐ貨物、スケジュールに余裕がある貨物などを見極め、限られたスペースに多種多様な貨物を混載し、輸送コストを削減することが主なミッションです。

海外旅行などで飛行機を使うとき、手荷物の大きさ・重さによっては追加料金がかかります。でも航空貨物の世界では、まったく性質が違う2つのものを1つのものとして「混載」することができるのです。例えば、巨大だけれど非常に軽いスポンジと、とても小さいけれどかなり重い金属。この2つを混載すれば、輸送費用を1つにまとめられるので、コストを削減できるという仕組みです。

このような前提のもと、「新製品を急ぎで○○○に届けたい」「海上輸送より早くしてほしいけれど、輸送コストは抑えたい」「精密機器なので揺れを最小限にして運んでほしい」など、お客様の思いや背景を想像し、様々なニーズに応えられるよう意識しながら、日々の業務に取り組んでいます。それが、国境を超えたモノの往来を担う者の役割ですから。

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緊急かつ大量の貨物をバンコクへ。八方手を尽くし、最後はコストを上乗せする提案しか残らなかった。

現在の担当は、主に中国・タイ・インド向けの航空輸送案件です。

3ヶ月前、普段はアメリカに出荷しているお客様から、バンコクの工場向けに出荷の依頼が入りました。「木曜のできるだけ早いフライトを準備し、日曜日に出荷して」「搭載スペースは60m3を確保して」――普段に比べると、あまりに緊急かつ大量の貨物だったので、営業担当に理由を確認。「新製品の発売が決まったため、期日内に届けないと発売日に商品が用意できなくなる。対応が遅れたりすれば、アメリカ向けの案件まで競合他社に流れるリスクがある」とのこと。

やるしかない。腹をくくった私は、まず比較的スケジュールに余裕がある案件を整理して、貨物室のスペースを捻出。さらに、経由便も含めたバンコク向けのフライトを確認し、そのスペースも確保しました。それでもまだ残り2~3割のスペースが必要です。こうなったら、いつも使うスワンプナーム空港に加え、普段使わないドンムアン空港に飛ばすしかありません。ただその場合、余分なコストがかかります。お客様や営業担当の状況を知っておきながら、コストを上乗せする提案をしていいのだろうか。悩んでいるうちに、依頼を受けた木曜は終わろうとしていました。

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「お客様の思いを知っていると、自分は頑張れる。混載業務もさらに面白くなる。

明けて金曜日。ある航空会社に別件で電話をしたとき、「昨日相談したバンコク向けのスペース、やっぱり確保は厳しいですよね…?」と再度打診してみました。すると「まだ抱えてらっしゃるんですね、もう1回調べてみましょう」とのこと。そして30分後、「ふだん良くしてもらっているので、スペース調整します。やりましょう!」という回答を得たのです。私は電話を切ってすぐ営業担当に連絡をとり、確保できたことを報告。無事に全量輸送を達成したあとに、営業担当からとても感謝されました。こういうやり取りが、次の案件に向かうモチベーションに変わっていきます。

どんなに難しい案件にも、その裏には必ずお客様の思いがあります。私は、その思いを知った上で対応に臨みたいと、常に考えています。思いがわかったほうが頑張れますし、より混載業務が面白くなるというのが私の仕事に対するスタンスです。そして私たち混載部署が頑張れば、お客様からさらに厚い信頼が寄せられ、郵船ロジスティクスのビジネスを拡大することにもつながります。混載とは、それほどやりがいに満ちた仕事なのです。

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