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医薬品

医薬品の輸出入の現状

健康志向の高まりやジェネリック医薬品の普及、先進国における高齢化などを背景に、医薬品の需要は年々高まる傾向にあり、日本でも輸出入される物量・金額は年とともに拡大を続けています。医薬品は人の生命を維持する役割を担うことから、景気の良し悪しに左右されずに成長する産業であるとも言われています。
医薬品と言うと、病院で処方される処方薬や薬局で購入できる大衆薬などがまず思い浮かびますが、このような市場に出回っているものの他に、まだ研究開発段階のものも航空貨物として多く輸送されています。高価で、輸送中には厳格な温度管理を必要とすることもあり、早く確実な輸送を求められることが多いため、航空貨物輸送に適しているのです。
私たち郵船ロジスティクスの取扱量としても、メインの品目である自動車部品や電子部品に次ぐ成長分野として着々と輸送実績を増やしており、今後も期待できる品目として営業を強化しています。

 

医薬品の輸送で大切なこと

医薬品の品質を維持する正しい作業工程

人の命に関わる医薬品の製造にあたって、医薬品メーカーにはGMP(Good Manufacturing Practice; 安心して使える品質の良い医薬品などを供給するために、製造時の管理、遵守事項を定めたもの)を遵守することが求められますが、医薬品の輸送に携わる私たちにも、同じように品質を管理するシステムが求められます。輸送業者として、ISOにGMP基準を反映した作業工程を構築し、医薬品を必要とする全ての方に、安心・安全な医薬品を確実にお届けするお手伝いをしているのです。

適切な温度を保ち続ける

特に研究開発段階の医薬品は温度変化に敏感なため、出発地から到着地まで温度を一定に保ち、安定した輸送環境を維持しなければならないケースが多くあります。-65℃以下の極低温輸送、-20℃以下の凍結輸送、2℃〜8℃等の保冷輸送などがあり、それぞれの温度に適した方法を構築します。
定温輸送については、次でもう少し詳しくご紹介しましょう。

定温輸送の技術

みなさんがお土産にケーキを買ったり、旅先で冷凍のカニを買って帰ったりすると、中にドライアイスが入っていることがありますよね。貨物の定温輸送の場合にも、保冷剤やドライアイス等を使うことがよくあります。医薬品輸送では極めて厳格な温度管理が求められますので、私たちは社内の専任技術者により、輸送条件(外気温、輸送時間など)に合わせて熱量計算を行います。それを基に梱包方法や使用する容器、保冷剤の量などを導き出し、確実な輸送仕様を決定しています。

   
容器外観
ドライアイス梱包
(マイナス温度保持)
保冷剤梱包
(プラス温度保持)

 

例えば冬に日本から南インドへ輸送する場合、その気温の差は20℃以上になることもあります。倉庫内、梱包作業、航空機への搭載、飛行中、到着地での倉庫搬入…と、貨物の外気温は刻々と変化しますが、梱包された貨物の容器内の温度は所定の範囲から外れることはなく、医薬品の品質はしっかりと保たれたまま輸送されます。私たちはお客様の求めに応じて、輸送中の貨物の温度を計測し、データをお渡しすることもあります。

 

定温輸送を支える設備

このような定温輸送を支える、私たちの設備をご紹介しましょう。
日本の空の玄関口、成田国際空港のそばにある成田ロジスティクスセンターでは冷凍庫・冷蔵庫を備え、医薬品などの温度管理の厳しい貨物を一時的に保管しています。また梱包などを行う場合、夏場の暑い時期にはわずかな時間でも温度が上がってしまう危険性がありますので、保冷作業場(ビニールのカーテンで仕切った、エアコン付きのスペース)を活用しています。

   
冷蔵庫と冷凍庫
冷凍庫の中
保冷作業場

 

このように、私たちの命を守る医薬品は、細心の注意のもと大切に国際輸送されているのです。