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第3回 インドの物流インフラ状況
インド概観
 

 BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)の一国として、また中国に続く潜在的な巨大市場として全世界の注目を一身に浴びているインドであるが、その現状は訪れた者にしかわからない混沌と混雑、雑然と雑多の世界である。牛や象が道路を我が物顔で闊歩する傍ら、自転車やオートバイの群れが町並みに溶け込んでいる様子に、誰もが驚愕の念を感ずるはずである。

 
牛 町並み 町並み
 

 インド政府は、1991年の通貨危機を契機に経済自由化路線(New Economic Policy)に転向、各種規制緩和、外資の積極的導入、貿易制度改革、変動相場制移行等を中心とした経済改革を断行した。その結果、インド経済は90年代半ばから高い経済成長率を持続し、2002年度は季節風の不調により農業生産が落ち込んだため1991年以来最低の4.0%という経済成長率を記録したものの、2004年度以降は再び高い成長率を維持している。

 独立以来、混合経済体制の下、重工業を重視した政策をとっていたインドだが、近年、自動車産業、医薬品製造産業、IT関連産業と一気に各種製造業、ソフトウエア開発産業が花開いた。
民主主義化により州の自治権が強いインドでは、各州がそれぞれ異なった優遇策を打ち出し、その結果、進出企業が一定の地域に集中しているのが特徴である。英国統治下時代にある程度道路、鉄道、港湾、空港等の基本インフラは整備されていたが、現在各州では大規模な工業団地を造成し外資系企業誘致を盛んに推し進めると同時に、港湾施設の改修、新設移転、及び新空港の建設等インフラ整備に懸命である。

 だが、インフラ整備が進み、外資系企業の進出が相次ぐ一方で、恒常的に電力不足であるという現状は非常に問題となっている。停電が毎日のように発生するという状況を改善するため、政府は積極的に発電所の建設を進めているが、需要には追いつかず、民間投資による発電所建設の計画も進められている。


インドの物流インフラ状況
  まず、インドにおいては、対パキスタン、及び国内テロ組織と交戦状態であるため、空港・港湾施設等政府管理下の施設は全て撮影禁止である。施設出入りゲートでは、インド軍兵士が出入者を全て確認し許可証の提示を要求、海外からの訪問者はパスポートコピーを送付し事前申請する必要がある。また、警備を行っている兵士は、全て小銃を携行しているといった具合に厳重に管理されている。
  インド周辺地図
  <空港>
 インドの主要国際空港は、デリー、ムンバイ、バンガロール、チェンナイであり、この4空港で全インドにおける80%以上の航空貨物を取り扱っている。
各空港では、輸出・輸入貨物がそれぞれ完全に別棟に分離・保管され、税関事務所もそれぞれの棟に設置されている。大型・重量貨物は、主にフォークリフトによって、小型・軽量貨物は人手によって取り扱われている。また、他国の空港にはあまり見られない特徴として、各空港の輸入棟には必ず別送品専用保管場所・検査場所・搬出口が設けられているということが挙げられる。これはインドにおいては海外への出稼ぎ労働者が多く、出稼ぎ先である中近東・シンガポールといった国々からの帰国時に新品の電化製品、台所用品、家財品一式を持ち帰るケースが多いということに起因する。また、貴重品保管庫、冷蔵・冷凍庫設備も設置されている。
 
デリー空港入口ゲート デリー空港大型貨物搬入口 デリー空港輸出棟
デリー空港入口ゲート デリー空港大型貨物搬入口 デリー空港輸出棟
 
デリー空港別送品搬出口 デリー空港輸入棟 デリー空港輸入棟正面
デリー空港別送品搬出口 デリー空港輸入棟 デリー空港輸入棟正面
  <港湾>
 主要港湾としては、ムンバイ、チェンナイ、コーチン、ゴア、コルカタ等がある。ムンバイ港では好調な伸びを見せる輸出入貨物により手狭になっているため新港建設が進められているが、その一方、チェンナイ港は急激な輸出入貨物の増加に機能が追いついていないものの、市街地に所在するため港拡張の余地はなく、荷降ろし後3日を経過すると自動的に郊外の指定CFSに移動される仕組みとなっている。内陸部のデリーにはICT(Inland Container Terminal)があるが、既存のICTが矮小化してきているため、デリー市北部に新ICTを建設中である。尚、バンガロール、及びハイデラバッドにはICD(Inland Container Depo)があり、コンテナ貨物が港から鉄道もしくはトラックにて直送されている。また、ICT・ICD両敷地内にはCFS倉庫が併設されている。
 
デリーICT デリーICT ムンバイCYゲート
デリーICT デリーICT ムンバイCYゲート
 
バンガロールICD入口 バンガロールCFS チェンナイCFS
バンガロールICD入口 バンガロールCFS チェンナイCFS
  <道路>
 道路交通インフラは、有料の高速道路でさえも完全に舗装されているものもあれば、舗装されている箇所とされていない箇所が入り混じっているものもあるなど、モザイク模様のような状況である。インド国内各所で新道路の建設、既存道路の整備、及び立体交差化が進んでいるが、道路補修はやや遅れ気味であり、そのため交通渋滞が激しくなっている。また、幹線道路を一歩出ると何年か前に舗装した様子は窺えるものの、穴ぼこだらけの未舗装状態の道路が多く見受けられる。
 貨物運送を行うトラックは幌車が多く、雨季におけるウエットダメージが心配される上、市内においても雨水排水機能が完備していない為、道路が冠水となる場合が多く、配送が滞るといったケースも少なくないというのが現状である。
 
チェンナイ高速道路 チェンナイ高速道路 チェンナイ市内道路
チェンナイ高速道路 チェンナイ高速道路 チェンナイ市内道路

当社インド展開状況
   上述のようにインフラや輸送品質の問題など改善すべき点は多いものの、インドがこの先も現在と同様の高い経済成長率を維持し続ければ、マーケットは確実に拡大し、それに伴う物量は飛躍的に増大すると予想される。
 当社では、インド国内での物流情報収集と顧客サポートを担う為にデリーとバンガロールに日本人駐在員を配置、広大なインド全土を網羅する代理店網と共に顧客のニーズに沿える輸出入通関、国内配送、保管業務体制を構築した。これにより、インド・マーケットに打って出る準備は整った。

 
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